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円形脱毛症とアトピー性皮膚炎の東洋医学的関係性についての内容です

第5章アトピーと円形脱毛症

あおい堂鍼灸院に円形脱毛症の鍼灸治療に来る方のなかでアトピー性皮膚炎を同時に患っている方はとても多いです。その方々から伺うお話として伺う事に、今までアトピー性皮膚炎が改善したら円形脱毛症が悪化し、逆に円形脱毛症が改善したらアトピー性皮膚炎が悪化したというものです。この現象はおそらく西洋医学的な血液検査の結果などには表れず関連性が無いと考えられている事柄だと思います。ただ実際にそのような状態になったと言われる方々がいらっしゃるのも事実です。これを東洋医学的に解釈しますと「熱」の所在の変化であるとあおい堂鍼灸院では考えています。まずアトピー性皮膚炎について考察してみたいと思います。アトピー性皮膚炎の症状としては第一に皮膚の痒み、掻いた後の肌荒れです。これを東洋医学的に分かりやすく説明するために時系列に列記してみます。
※アトピーの発症過程(あおい堂鍼灸院説)
身体の中の陰陽(気血)のバランスが崩れ、相対的に気(陽)が血(陰)に勝る状態となります。この気は多くなると熱と成り痒みとして感じるように成ります。熱とは気が余分に有り余った状態と考えておいてください。身体がその熱を皮膚の毛穴から排出しようと熱が皮膚に集まってくるのですが、その前段階として様々な原因により身体の毛穴は「風」と呼ばれる邪気に覆われ毛穴が塞がれてしまっています。そのため熱を排出できません。そうして皮膚に熱が過剰に集まり、更に強い痒みとして認識します。そして掻く事により掻いた場所に他の気(衛気:えき)が集まり更に熱が高まり痒みを覚えるという悪循環があります。掻くと皮膚が破れ皮下にあった浸出液(水や血漿成分あるいはリンパ液と言われている)が出てきますが、この液は身体を冷ます為に不足している陰(血)の代用であるとも考えられます。肌の一番外側の表面は熱が存在し、そのすぐ下には熱を冷ます液がある事から皮膚の下に余分な熱は存在しないと考えます。つまりアトピー性皮膚炎の特徴としては本来体外に排出されるはずの熱が皮膚表面(そうり)に集中して存在する事とします。

では上記の発症過程を踏まえた上で円形脱毛症を東洋医学上の熱という観点から観察してみます。円形脱毛症が悪化し、髪の毛が抜け落ちる(切れる)時、第2章の「抜け期」で記載したような髪の根元が赤茶けて来る事があります。この現象を考える際に参考として『和漢三才図絵』という東洋医学の医学書の記載を挙げたいと思います。この書物の中にある髪の毛に関する記載は『前略……各其の経気血盛んなれば則ち美しく、而して長く、気多くして血少なしは則美しく而して短し。気少なく血多ければ則ち少にして悪し。気血倶に少なければ則其の処に生えず、気血倶に熱すれば則黄く、而して赤し。気血倶に衰えれば則ち白く、而して落つ。』とあります。簡単な言い方をすると「気血共に豊かであれば髪の毛は美しく長く成長し、気が多くて血が少なければ美しいが伸びにくい。気が少なく血が多ければ髪の毛が少なくて質も悪い。気血に熱があると黄色かったり赤かったりする。気血が途絶えていれば白髪になってそのうち抜けてしまう」とあります。つまりこの書物によれば「抜け期」の髪の根元の赤茶ける現象はこの記載から気と血両方に熱が存在した為という事が分かります。この事から円形脱毛症の悪化している時期には気が流れる皮膚表面と皮膚の下にある血の位置に熱が存在する事となります。アトピー性皮膚炎が改善し、痒みが少なくなったとしたら少なくとも皮膚表面の熱の余りが解消されたと考えても良いと思います。ただし、その際に円形脱毛症が悪化した場合はアトピー性皮膚炎として症状を引き起こしていた熱が皮膚の下方の血に移動したと考えられます。逆に円形脱毛症が改善してきたとしたら血にある熱は解消したと考えて良いと思われます。その際にアトピー性皮膚炎が悪化した場合は円形脱毛症を引き起こしていた熱が血から皮膚表面の浅い場所に移動したと考えられます。よって円形脱毛症とアトピー性皮膚炎の症状が互い違いする現象を捉える場合、熱が皮膚表面か1段深い場所の血にあるのかの違いでどちらの症状が出るかという事なのです。
円形脱毛症とアトピー性皮膚炎の両方を患っている場合、治療としてはやはり熱を解消させる事が優先されます。ただし上記したように単純にその場所の熱を払うだけでは対処療法でしかありません。問題はその余分な熱の発生源です。発生源がある限りいつでも症状の再発はあり得ます。その発生源を探し出すのが後述する「弁証」と言われる鍼灸治療独自の診断方法です。円形脱毛症もアトピー性皮膚炎も罹患者の数だけ様々なケースがあるため一括りにまとめるのは困難ですが、熱が媒介するケースでは二便(大便・尿)の管理がとても大切です。なぜなら熱の排出として最も適しているのが便だからなのです。
これは西洋医学的にも免疫の異常は腸内環境が関与すると言われている事と共通するかもしれません。 






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